仕事帰りの喫茶店

今日、仕事帰りに読みかけの本を持って珈琲店へ立ち寄った。

珈琲を一口飲み、本を読み始めた頃に店に入ってきた男女が、隣の席に座った。
20代のごく普通の男女だ。

コーヒー 喫茶店

女性が男性に敬語を使っているので、職場の先輩なのかもしれない。
何の気なしに耳に入ってきた二人の会話が唐突で、読み始めた本に視線を置いたまま、二人の会話に聞き入った。

二人は、それぞれの親の話を始めた。

女性 「私の母は過干渉で、幼い頃から私のことは放っておいて欲しいと懇願してきました。親の過干渉は精神的にこたえます。」
男性 「・・・・」
女性 「私の父親も少し変わったところのある人なんです。
私が幼少の頃、父方の叔父にせっかんとしてペンで手のひらを刺されても、父は叔父を注意することも、娘の私を心配することもありませんでした。
母も見て見ぬふりだったので、私も何も言えず、その出来事は何事もなかったかのように終わりました。」

男性 「僕の母親も何を考えているのか解らず、理解し難い人なんだよ。
両親は、今も実家で二人暮らしをしているけど、父がそんな母と一緒に暮らしていることが自分には理解出来なくて、最近では、実家に帰ることもなくなってしまったんだ。」

二人は、延々とこのような話をしている。
共通点は、親が理解しがたい人物であることと、現在は殆ど交流がないということ。

私も、そんな話をしている二人と同世代の子供を持つ親として、少し心が痛んだ。
この二人の両親と自分とは違う。そう思ったと同時に、子供たちが親としての自分をどう思っているのか、急に不安になった。

彼らの両親も、きっと悪気はなく、さほど重く考えずに子育てをしてきたのだと思う。
二人にはトラウマになっている出来事も、何気ない日常のワンシーンに過ぎなかったのだろう。

成人をした子供たちが、母親としての私をどう思っているのか気にはなるが、実際、聞く勇気はない。
この二人のように、私の言動に傷ついていたことを告白されたら、どうすればいいのかわからない。

この話は、そっと自分の心の隅に納めることにした。
母親として、子育てをしてきた自信など何一つ持っていないことを、隣の席の若者に教えられた。

二人は、珈琲を飲み終わり帰っていった。
一頁も読まずに開いたままの本を閉じて、珈琲を飲み干し、私も店を出た。

今夜はもう本は開かないだろうと思いながら。


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